会社をやっていくためには一日でも早く債権を買い取ってもらわなくては、こう思い書類を偽造してまでファクタリング会社を利用する人も実際にはいます。
しかし書類の偽造は明らかな犯罪です。
この記事ではファクタリングの際の書類の偽造について紹介します。
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ファクタリングではどういう書類が必要なのか
書類と偽造の問題を見ていく前に、ファクタリングではどういった書類が必要となるのかを見ていきましょう。
書類をもとにして審査が行われますので、仮に提出しなかったり不備があれば審査で落ちてしまうこともあります。
必要なものとしては請求書や見積書は欠かせません。
これらの書類によってファクタリング会社に譲渡するための債権が本当に存在するのかをチェックします。
どこの会社を利用する場合でも必ず求められる書類と言えるでしょう。
基本契約書や売買契約書が求められることもありますが、これらは請求書や見積書の代わりになることがあります。
ファクタリング会社は審査の際に取引先とどれくらいの頻度でやり取りをしているのかなどを預金通帳から判断しますので、預金通帳も大切です。
その他としては利用者の身分証明書や印鑑証明書、決算報告書などがあります。
身分証明書に関してはなりすまし防止のために求められるもので、運転免許証やパスポートなど顔写真付きのものでなければなりません。
ファクタリングで請求書を偽造した場合
ここからは書類別に偽造をした際の犯罪について見ていきます。
まずはとても大切な請求書を偽造した場合です。
実は請求書を書き換えるなどして偽造するのは比較的多くあると言われており、ファクタリング会社も対策に困っていることがあります。
自社名義人となっている請求書を偽造しても偽造罪にはなりません。
偽造罪となるのは他人名義の書類を同意なく作成した場合です。
これを知らずに請求書は何でもかんでも偽造になると思い込んでいる人は多くいます。
偽造罪だけではなく詐欺罪が成立することもあります。
それはファクタリング会社に提出した書類に記載した債権を、架空のものとして作成した場合です。
ファクタリング会社をだますことになりますので詐欺罪が成立し、10年以下の懲役となってしまいます。
中でも詐欺罪が多いと言われていますので、少し改ざんしても分からないだろうというのではなく最初から誠実にありのままの書類を提出しなければなりません。
ファクタリングで契約書を偽造した場合
契約書を偽造した場合もかなり大変な犯罪となります。
私文書偽造という言葉を聞いたことはありませんか。
契約書や請書を偽造するとこの罪に問われます。
民間人が作成する文書を偽造すると私文書偽造罪となり、そのままファクタリング会社に提出するケースも少なくありません。
また、取引先が記名押印した契約書の数字などを同意なく書き換えることで私文書変造罪が成立します。
実際にあったケースとしては債権額を少しでも高く見せるために「0」を一つ増やしたというものです。
これをそのまま提出すると変造私文書行使罪として犯罪になりますので注意が必要です。
これらの犯罪の刑罰ですが、いずれも3ヶ月以上5年以下の懲役刑を科されます。
私文書偽造は民間人が行うものですが国や自治体の契約書の場合は公文書偽造罪が成立することがあります。
ファクタリング会社では国などを相手にすることはないと思う人もいるかもしれませんが、建設業者の場合は自治体と取引をすることがありますのでこの罪にならないように十分注意しなければなりません。
ファクタリングで身分証明書や通帳を偽造した場合
そこまで多くはないのですが、身分証明書を偽造する人もいます。
利用者、つまり会社の代表者の身分証明書が必要なわけですがその代表者に信用がなかったり素顔を知られたくないなどを理由になりすましをすることがあります。
偽造して提出すると公文書偽造罪、偽造公文書行使罪となります。
偽造しただけでは前者、それを提出すると後者が成立しますので身分証明書、特に運転免許証の場合は一度に2つの犯罪が成立する可能性があります。
取引先との関係を判断するために用いられる預金通帳ですが、これを偽造する人も多くいます。
審査に何としても通過したいという気持ちから偽造してしまうわけですが、これをすると私文書偽造罪、私文書変造罪、そして偽造私文書行使罪が成立してしまいます。
取引履歴を偽造すると私文書偽造、内容を書き換えると私文書変造、そしてこれを提出すると偽造私文書行使となるため預金通帳の場合は一度に3つの犯罪が成立する可能性がある、非常に恐ろしいものなのです。
ちなみに、偽造や変造などによってファクタリング会社に提出することで相手をだますことになりますから詐欺罪が成立することも覚えておきましょう。
ファクタリングでは偽造せずあくまでも誠実に
どうしても偽造したくなることもあるでしょう。
それで審査に通って資金を確保できれば万々歳です。
しかし多くの犯罪が成立するリスクがあることも同時に意識しなければなりません。
今までいろいろな犯罪を繰り返してきたが、ファクタリングでの偽造も大丈夫だというのは何の根拠にもなりません。
審査が心配でしょうがあくまでも誠実に、素の自分や会社の状況を判断してもらうことが大切なのです。
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