保証ファクタリングとは売掛債権に対する保険のサービスです。
企業が他社との取引で売掛債権が発生する契約をすることはよくあります。
仕事の依頼を受けて翌月に対価の支払いを受ける、成果物の納品をしたら支払いを受けられるといった契約が典型的です。
保証ファクタリングはこのような際に相手企業が支払えなくなったときの対策になります。
保証ファクタリングの仕組みについて詳しく紹介するので参考にしてください。
保証ファクタリングの仕組み
保証ファクタリングは信用について不安がある取引先と契約するときに、売掛金の支払いがなかったときの対策をするための保証サービスです。
もし500万円の仕事を受注して、要求の通りに業務を遂行したら請求書を出して500万円を期日までに支払ってもらうのが当然でしょう。
しかし、その時点で取引先が経営破綻を起こして倒産したり、キャッシュがなくて払えなくなったりしたら債権が回収不能になってしまいます。
保証ファクタリングはこのような事態に備えて保証を受けられる契約をするファクタリングです。
保証ファクタリングでは保証会社との間で契約を結んで保証料を支払います。
そして、もし取引先が売掛金を支払えなかった場合には、保証会社が売掛金の全額または一部を支払ってくれる仕組みになっています。
保証される金額は売掛金の金額と、保証会社が売掛先の企業に対して実施した与信調査の結果によって決まるのが一般的です。
保証ファクタリングのメリット
保証ファクタリングのメリットは貸し倒れリスクを低減できることです。
売掛債権があるのは平たく言えばお金を貸している状況で、売掛金を回収できる権利を持っています。
売掛金が支払われたら何も問題はありませんが、取引先が倒産したら回収不能になって大きな損失を被ることになります。
しかし、保証ファクタリングの契約をしておけば、売掛先が倒産したとしても全額または一部を回収可能です。
売掛金が支払われることを前提にして事業を進めていくのは基本なので、支払われないことになると一大事になりかねません。
万が一の事態の備えとして安心を得られるのが保証ファクタリングの魅力です。
また、保証ファクタリングの相談を通して与信調査ができるのもメリットです。
保証会社が与信調査をして引き受け可能かどうかを判断するからです。
安い保証料で引き受けてくれたら信用できる取引先だと考えられるでしょう。
断られたら信用がない取引先だという第三者からの情報が手に入るため、今後の取引について再考するきっかけになります。
保証ファクタリングのデメリット
保証ファクタリングのデメリットは補償料がかかることです。
取引先の与信調査の結果によって保証料には違いがありますが、1%~5%くらいの支払いが必要になるのが一般的です。
何事もなかったときには保証料を支払った分だけ損になるので、取引先の信用に不安があるときに利用するのが無難です。
ただ、保証ファクタリングは取引先の与信調査をしてから契約します。
保証会社による調査で信用に不安がある、倒産のリスクがあるといった判断になったときには、保証契約ができないこともあります。
リスクが高いときにこそ利用したいと思うのはもっともなことですが、保証会社の立場になるとリスクが高い契約はしたくないのが当然です。
保証ファクタリングはリスクがあるときほど使えない確率が高いのがデメリットです。
保証ファクタリングが有用なシーン
保証ファクタリングが有用なのは、新規の取引先ができたときや、大口の案件を受注したときです。
まだ取引経験がない新規取引先の素性がよくわからないときもあるでしょう。
大手で有名な企業であれば倒産などを気にする必要はあまりありません。
しかし、相手が最近創立したベンチャー企業だったとしたら、本当に支払いができるのかどうかが不安になるでしょう。
このようなときに保証ファクタリングを利用すれば、もし支払ってもらえなかったとしても保証を受けられるので安心です。
また、保証会社によって与信調査がおこなわれるので、自社とのダブルチェックになって安心できる取引先かどうかをより詳しく吟味できます。
一方、大口案件のときには今まで取引をしてきた会社だったとしても支払えるかどうかが疑問になることがあります。
企業規模に見合わないほどの大口案件のときには、保証ファクタリングを申し込んでおくのが無難でしょう。
保証ファクタリングのまとめ
保証ファクタリングは売掛債権を回収できなかったときに保証会社による保証を受けられる仕組みの取引です。
取引先が倒産したときのように、債権回収が困難になってしまうケースがあります。
その際に保証会社から売掛金の全額または一部を支払ってもらえるのが保証ファクタリングの特徴です。
保証ファクタリングでは保証を受けるために保証金を支払わなければならないのがデメリットです。
ただ、金額としては1%~5%程度が相場なので、全額を失うのに比べたらほんのわずかな金額でしかありません。
もしリスクが高い取引だと思ったなら保証ファクタリングを利用した方が安心でしょう。
保証ファクタリングを申し込むときには保証会社が与信調査をして保証金の金額や保証される金額の上限を決めます。
その結果も取引先の信用度の高さを推し測る重要な情報源になります。
リスクがありそうな企業と取引をするときには保証ファクタリングを利用して万が一の事態に備えましょう。
以上、保証ファクタリングとは?取引の仕組みと内容を詳しく知っておこう!…でした。